アンティークソール仕上げについて

今や#8と言えば「アンティーク」というくらい当たり前になってきていますが、「アンティークウェルト、ソールエッジ仕上げ」というのが世の中に出回りだしたのがだいたい今から3〜4年ぐらい前でしょうか。日本では未だにほとんどアンティーク仕上げのものを見ませんが、アメリカでは結構前から作られていました。

ウェルト、ソールエッジの仕上げには、①黒、②ダークマホガニー、③アンティーク、④ナチュラルの4種類があり、黒コードバンには黒仕上げのみ、#8にはダークマホガニー、シガーやラベロにはダークマホガニーもしくはアンティーク、ウィスキーにはアンティーク、そしてコードバン以外の素材でカジュアル感を出すために無塗装のナチュラルのそれぞれの仕上げを行うのが一般的でした。

明るい色のラベロにダークマホガニー仕上げを行うと、お歯黒をしたような感じでカジュアル(ラベロ)とフォーマル(ダークマホガニー)のミックス感が非常に面白く、またシガーにアンティーク仕上げを行うと、フォーマル(シガー)とカジュアル(アンティーク)のコントラストが効いて非常にカッコ良いため「試しに#8にアンティーク仕上げを行ったらどうだろうか?」と考えたのではないでしょうか。

一方で、#8にあまり明るめのアンティーク仕上げを行うと、陽に当たった時にアンティークソールがあまりにも黄色っぽく目立つ感じに浮いてしまい、個人的には濃いめのアンティークが良いな、と思っていました。

先日購入したエスプレッソはウォーターロックソールになっており、元が濃いめのレザー素材ですので、これにアンティーク仕上げを施すとまさに濃いめのアンティークに仕上がります。今回のVチップもウォーターロックにアンティークですので、同様に濃い目のアンティークではないか、と思っていました。そこで今回のVチップが実際に濃いめのアンティークに仕上がっているのかどうか検証すべく、AC-1のアンティークと比較を行ってみました。

こうやって比べてみると、Vチップ「AOC-50」のアンティーク仕上げはかなり濃いめであることがわかります。オイルを染み込ませたウォーターロックソールにアンティーク仕上げを行うと、塗料が弾くのか、結構ベッタリと濃く塗りつけられているのがわかります。

ヒール側を比較してみても、かなり濃いめに塗装されています。ウェルト部分を比較してみると、AC-1の方は塗っているのかどうかすらよく分からないほど明るめの色であるのに対し、AOC-50の方はしっかり濃く塗られていることがわかります。

ちなみに私のAF1はダークマホガニーを薄めに塗ったのかな?と思うほどアンティークにしては濃いめですが、もしかするとオールデンで仕上げを行う際、全体のバランスを見ながらアンティーク仕上げの濃さを調節しているのかもしれません。

実際、このAF1はマホガニー部分が鮮やかな赤みを帯びた色をしており、濃いめのアンティークの方がしっくりきます。ソール仕上げは工程の最後の方だと思われますので、やはり全体のバランスをみて調整しているのかもしれませんね。

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