ブラックコードバンの裏はなぜ緑?

みなさんはブラックコードバンの裏は大抵このように緑色になっているのをご存知ですか?裏といっても、いわゆるコードバンの表(ツヤツヤした#8や黒に染められた部分)というのは実は馬革の裏(正確には、裏側から削っていって現れる内部の緻密な部分)なので、この緑色に染まっているのは、馬革の表側(銀面と言ったりします)なんですが、

都合よくブラックコードバンのアンラインドローファーをお持ちであれば、なるほど確かに緑色をしていますね。もしアンラインドローファーがなければ、ブラックロングのベロなどもライニングの隙間から緑色をしたコードバンの裏(革表)が見られると思います。

実際ホーウィンを訪問した際も、出荷を待つ大量のブラックコードバンを見ましたが、程度の差はありますが、大抵どれも緑色をしています。ではなぜブラックコードバンの裏は緑なのか?ニックに聞いてみました。

「ブラックコードバンの染色を行った後、十分に乾燥させて、次にお湯に浸して余分な染料を取り除くんだ。すると、沢山ブラックコードバンをお湯に浸していくと、黒い染料の成分がお湯に溶け出してお湯が徐々に緑色に染まり、それがコードバンの裏側に再度染まっていくというわけさ。ちなみにうちで使ってる染料は"green-black"というやつだよ」

ホーウィンではベジタブルタンニングを行い、染色も植物性のアニリン染めが行われます。元来、黒い染料というのは自然界には存在しないようで、色々と工夫して「黒」を作り出すわけですが、ホーウィンで使用しているのは緑ベースの黒染料ということのようです。着物の染付についても同様のことを聞いたことがありますので、なるほど、と思いました。

ちなみに、黒コードバンをお持ちの方は、強い光の下で透かして見ると、うっすらと緑が浮かび上がると思います。これは決して不良品ではありませんので、ご安心ください!笑

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